第9章 QUARTET NIGHTとの撮影
「えぇ…僕ちんそんなイメージ?」
『うん。』
「安心して?
今日はちゃんとマイガールとマイボーイに向けて
イケイケな寿 嶺二をお届けするつもりだから
(。☌ᴗ☌。)」
『本当かなぁ…(=_=)』
**
なんだか2人でヒソヒソと話したあと
黒崎さんたちの処に戻ってくる。
□□さんがどこかゲッソリして見えます。
そんな感じで和気あいあいとされている皆さん
そこに…
「□□さん、スタンバイお願いします!」
と声がかかる。
美風さんの方にたたっと小走りで向かい、
『よろしくお願いします^^』
とペコッとお辞儀をして、
「こちらこそ、よろしくお願いします^^
色々と学ばせて頂きます。」
と、和やかな雰囲気
ですが、美風さんの企画したカップルグラビアは
インテリ系カップルということで
眼鏡に黒いスーツを着こなした美風さんと
お揃いの黒いスーツに身を包み
姫カットっぽいサラサラロングヘアを
ストンと下ろした□□さんの
お2人が本当に格好良い。
最初は美風さんが
背後から□□さんを片腕で抱きしめ
視線を伏せて□□さんを向いている風
□□さんも合わせて
伏し目がちに照れた表情を作っている
それから、
格好いい2人のオシャレな撮影が続く。
「やっぱり、表情の作り方がプロですね。
僕たちのファンのためになるべく
真正面や僕自身を見つめないようにしている。」
『ふふっ、気づいちゃった?
あんまり褒めないでよ。
照れちゃうでしょ』
「照れてるって…言う割には
表情管理完璧ですね?」
『ありがとう〜^^』
撮影しながら
ヒソヒソとお喋りしている
おふたり。
本当に知的なカップルに見える。
「じゃあ、次はキスシーン…いきましょうか!」
プロデューサーの声で
ガタッという音がして
チラッと視線を向けると
黒崎さんとカミュさんが立ち上がったのが
視界の端に映る。
「どっ、どうしたの?ふたりとも~( ˊᵕˋ ;)」
寿さんの声もうっすら聞こえる。
「いや…」
「なんでもない。」
なんだったんだろう…
2人は椅子に座り直し、
またお2人の撮影を静かに見守る。
途中で黒崎さんが次の撮影の準備に呼ばれ、
スタジオの別のセットに移動している。