第8章 美しき過去
『はぁ…はぁ…///』
息を整えながら
離れていくレンくんを見上げて
暫く呆然としていると
「〇〇さん…すいません。
私たち、また暴走してしまって…//」
と、シュンとした表情のトッキーが
ソファの肘掛のところから
ひょこっと顔を覗かせる。
少し散らかった書斎も相まって
トッキーが悪戯をして叱られた子供みたいにみえる
『ふふ…
2人…いや、4人になら何されたっていいんだよ^^』
って頭をなでなですると
「そうやって、私達を甘やかさないでください//」
と、頬を赤らめて恥ずかしがる。
「レディ…これ掛けて?」
と、レンくんまで…
叱られた犬みたいな顔で
脱ぎ捨てていた自分のシャツを私に掛けてくれる。
私は体を起こして
シャツのボタンを締めながら
『ありがと…
って、もう!
…レンくんまで、シュンとしないで…//』
と、言いながらこの大きなワンチャンも
撫でてあげる。
その手をとって口付けるレンくん。
「チュ……クスッ…
今日は〇〇ちゃん、飼い主みたいだね。」
『ふふっ、そうだね
じゃぁ…
ランランたちが帰って来る前に
片付けよっか…^_^;』
と立ち上がって
2人を見下ろす。
「だね…( ˊᵕˋ ;)」
「ですね…( ˊᵕˋ ;)」
と、2人も立ち上がる。
『もう、レンくんので
スカートぐちょぐちょ…』
と、ベタベタになったスカートを脱ぐけど、
レンくんのシャツが長くて
大事なところは隠れたままだ。
「いや、レディのでもぐちょぐちょだよ?」
と、脱いだスカートを手に取って
真剣な表情で分析する彼。
『あー!聞こえません~(><)』
耳を塞ぐポーズで誤魔化していると
「もう!ふざけてないで
早く片付けますよ!」
と、トッキーに怒られる。
2人ではーいって言って
3人で笑い合いながら片付ける。
**
「ランちゃんたちが帰ってくるまでに
何とか片付けられてよかった…」
「バレたら大変ですよね」
「だよね^^」
私は残りの仕事を済ませながら
2人の会話に耳をすませる。
「そういえば、〇〇さんの
例のグラビア雑誌があったんですよ。」
「えっ?例のって…あの賞とったっていう?」
「そうです!」
「どれどれ?」
と、段ボールの方に行く大柄な成人男性達。