第8章 美しき過去
「……お忙しそうですね」
いつの間にか読む本を決めているトッキーが
ソファに座って
ペラペラと本のページをめくりながら
こちらに話しかけてくる。
『ん?…あ、ごめんね。
物騒な話ばっかりだったね( ˊᵕˋ ;)』
「はい。”スパイ”なんて普通に働いていて
出てくる単語とは思えないです( .. )」
『あはは…』
トッキーに聞かれてたのはまずかったかな…
もっと暇な社長アピール
しないといけないのに(><)
PC画面の資料を確認しながら
トッキーの次の言葉を待っていると…
「危ないこと…じゃないですよね。」
と少しトーンを下げた声が聞こえる。
『ふふ…、違うよ^^
今ちょっとバタバタしてるって話したでしょ?』
一旦手を止めて
こちらを不安げに見つめるトッキーを
見つめ返す。
「はい。」
『その原因が
偶発的なものじゃなくて
作為的なものかも…みたいなことがわかったの。
政治的な何かなのか…
対立企業同士のいざこざなのか…
それはわからないんだけどね^^』
「……やっぱり少し危ないんじゃ…」
『あはは、大丈夫。大丈夫。
こんな末端の小企業を
どうこうしようなんて人いないよ^^』
「本当ですか?」
『本当だって…
トッキーは本当に心配性( ˊᵕˋ ;)』
「だって、貴女が心配なんです…( .. )」
しょぼんとしたトッキーが可愛くて
たまらず、手を止めて
トッキーの横に座る。
『…トッキー…心配してくれてありがとう。
でも、私も社員を守らないといけないから。
今のままだと会社潰れちゃうから
やれるだけの事はやりたいの。』
ぎゅっと手を握って
トッキーを
分かって欲しいという眼差しで見つめると
「……////
また子供扱い…」
と、少し悔しそうな表情。
『ふふ…多少はトッキーよりも
色んな経験してるつもりだよ?
まぁ、経験豊富なお姉さんに
任せておきなさい^ ^』
「……わかりました。
でも、何かあったら
私たちが守りますから、
絶対に頼ってくださいね?」
『ふふ…うん^^
ありがとう。
4人も味方がいると心強いよ』
「ですね…^^」