第8章 美しき過去
「はい!
じゃあ、〇〇さんの分も
コーヒー入れてきます!」
『ふふっ、うん^^
ありがと〜』
あんなに嬉しそうにされると
こっちまでなんだか幸せな気持ちになってしまう。
**
in 書斎
カタカタ…
カチッ…カチッ…
とPCを立ち上げて
朝一のメールの確認をしていると…
ガチャ…
とコーヒーを2人分持ったトッキーが
入ってくる。
広くない部屋だからか
部屋いっぱいにコーヒーの香りが拡がる
「…おまたせしました^^」
『ん…ありがとぉ^^』
コーヒーを受け取って
机に置く。
少しトッキーの様子を眺めてみると
壁いっぱいの本棚に興味津々のようだ。
キラキラした顔で
どの本を読もうかと探している。
『どれ読んでも好きにしていいからね^^』
「はい!ありがとうございます^^
って、ん?…えと…これは…」
トッキーが
本棚に入り切らなくて
段ボールに詰め込んでいる本の中から
ある雑誌を手に取る
『ん…?』
「これって…〇〇さん?」
雑誌の表紙に写る私の写真を指さすトッキー。
『わぁ!懐かしい…//』
昔売れすぎて賞を取ったグラビア写真が載った
少年向けのコミック雑誌だった。
18の頃の写真だから…
6年前だ…
「これって…」
『ふふ…若いよね( ¨̮ )
18歳の時の私。
こんな小娘に色気のある写真なんて
撮れるわけないって
当時は思ってたけど、
今見ても結構あるもんだね…色気//
一応、この写真…賞とったんだよ^^』
「これが…
確かに10代とは思えないです…///」
『ふふっ、ありがと^^』
なんて言っていると
ブーブーブー
と机の上に置いた携帯のバイブ音が鳴る
『あっ、菱からだ…
ごめん、今からちょっと打ち合わせ
じゃあ好きに見ててね!』
「あ、はい。」
PCの会議に参加をクリックして
ヘッドホンを装着する
『ごめんごめん…』
「お疲れ様です。
今日はご自宅での打ち合わせが
不可という事でしたが、
体調不良とかでは無いですよね?」
『うん。大丈夫!
今日は1人お休みだから…( ¨̮ )』
「左様でございますか。
失礼しました。
では、例の件少し進展がありましたので
ご報告です。」
『はーい。』