第10章 生徒会長[〇宇髄天元]
「シャワー浴びてこい」
「着替え……」
「あー…俺のでいいだろ」
脱衣場にを突っ込んだ。
ボソッと悪口が聞こえたが気にしなかった。
暫くするとシャワーの音が聞こえ、大人しくシャワーを浴びることにしたんだなと思った。
子供が飲むもの……。
珈琲しかねぇぞこの家。
まぁあいつタバコ吸うし、珈琲でもいいか。
「……シャワーありがとうございました」
「おう、まあ座れや」
「……」
「ほら珈琲」
「……珈琲飲めません」
「ぶはっ!タバコ吸うくせに珈琲飲めねぇのかお前!」
ツボにハマって笑ってると、腹が立ったのか珈琲をそのまま飲み始めた。
砂糖もミルクも入れてないから苦い。
「……苦っ……」
「待ってろ、ミルクと砂糖持ってくっから」
これ以上笑うと家を飛び出していきそうな雰囲気だったから笑うのはやめておいた。
ミルクと砂糖を渡すと、これでもかってぐらい入れ始めた。
そんな入れたら珈琲の味しなくなると思うけどな俺は。
「痛いか?それ」
「……もろに食らったから」
「湿布あったはず……待ってろ」
戸棚から使いかけの湿布を取り、頬に貼る。
「何で殴られた?」
「さあ……虫の居所が悪かったんじゃないんですか。
あの人はしょうもない理由で殴ってくるから……」
は確か父親だけだった気がする。
てことは父親から虐待受けてんのか。
気が付かなかった。
三者面談の時の父親は普通だったから。
外面がいい父親なんて5万といるのに……
「水浸しだったのも、氷水の中に顔を突っ込ませられたから。
この間休んだのもそれが理由です。
顔の腫れが収まらなかったから。
家を追い出されるのももう2桁は超えてます。
他に何か聞きたいことは?」
淡々と説明を始める。
困ったように笑っていて、弾け飛びそうなくらい悲しい音を出していた。
「今日は泊まってけ。
明日お前の家行くぞ」
「え……?」
「今日はもう休め。
寝るまでそばに居てやるから」
ソファでいいと喚くこいつを担いで寝室まで運び、寝転がす。
俺様特製の子守唄を聞かせると数秒で寝始めた。