第11章 あなたと[〇宇髄天元]
内蔵が痛い。
朝起きて先ず思ったことはこれだ。
初めてした時は腰が痛くなるだの立てなくなるなど聞いていたが、内蔵が痛くなるっていうのは聞いたことがなかった。
立ってみるか……
そう思い立ち上がろうとすると、膝からカクンとベッドに座った。
腰が抜けているとはこれのことだろう。
先生は早く起きたのかいないし。
今日一日どうしようか。
そう思ってると、コップを持った先生が入ってきた。
「起きたか。
体の方はどうだ?」
「……内蔵が痛いです。
あと立てません」
「まぁ奥まで突いちまったしな。
ほら水」
「ありがとうございます……」
先生からコップを受け取り、水を口に含む。
冷たくて美味しい
「今日はゆっくりしてな。
俺が全部やるから」
「……そうします」
「昨日の、派手に可愛かったぜ」
そう言われ、昨日のことを鮮明に思い出す。
自分でもわかるぐらいに顔に熱が溜まり、パシーンと乾いた音が響く。
「愛の平手打ち♡」
「平手打ちで喜ばないでください!
ていうか昨日避けてましたよね?!
避けれるなら避ければいいじゃないですか!」
「そりゃ昨日はムードっていうのがあったからな。
でも今は受けるぜ?
なんだって派手に可愛い俺様の彼女の平手打ちなんだからな!」
「バカ!」
「なんならもう1回するか?」
イタズラっぽく笑いながら言う先生。
もう一度乾いた音が響いて、先生が喜ぶ。
傍から見ればよく分からないカップルかもしれない。
だけど私はこれでいいと思ってる。
最初はただのウザい筋肉ダルマ美術教師かと思ってたけど、一緒に過ごすにつれて先生のいい所が沢山見えてきた。
ふとした時に見せる優しさや、子供っぽいところ全部好きになっていた。
「」
「……なんですか」
「愛してる」
「……」
「は?」
「……っ…愛してますよ……!!」
「知ってる」
あぁもうこの人は……
本当に調子狂う……!