第10章 生徒会長[〇宇髄天元]
筋肉教師に弱みを握られている。
タバコを吸っているのがバレたからだ。
言うことを聞けば誰にも言わずに、内申にも響かせないといてやると言われたから、頼まれた事は何でもしている。
美術室の掃除だったり、なぜかトレイ掃除だったり、
生徒の課題提出の確認だったり。
あと宇髄先生が飲みたいものを自販機で買ってきたり。
完全にパシリだ。
そのせいで放課後の会議には遅れてしまう。
鈴木くんは優しいから許してくれるけど申し訳ない。
毎週金曜は何も無い日だから放課後は生徒会室で勉強をしている。
タバコを吸うなと言われたので、棒付きの飴を舐めている。
「おーいー!この課題……」
「また丸つけですか」
宇髄先生は私を見たまま固まった。
なんだ?と思ったが、原因はすぐにわかった。
飴を口から出し、先生に見せる
「飴ですよ飴」
「あ、ああビックリした……。
ついに堂々と吸い始めたのかと思ったぜ」
「吸いませんよ……」
ドサッと私の横に置かれた美術の課題。
提出者の名簿に丸をつけろということなのだろう。
「勉強?」
「はい」
「家でやりゃいーのに」
「……そーですね」
「ま、いいけどよ」
先生は私の隣に座り、課題を手に取った。
「?先生がやるんですか?」
「まぁな。
ほら、お前は大人しく勉強でもしてろ」
「何なんですか本当に……」
先生は気まぐれだ。
やれって言ったり、やっぱいいってなったり。
ほんと、調子狂う