第8章 ほくろ[✩宇髄天元]
「邪魔した」
「ああ。俺も悪かったな。呼び出しちまって」
「気にするな。ついでだから」
もしかしたら、今日は知ってもらうために来たのかもしれない。
本当は歩いてるのもやっとじゃないのか?
「宇髄、お前は胸を張って生きろ。
忍だろうがなんだろうが、お前は今、人を救う事をしているんだ」
「……なんだよそれ。
最期の言葉みてぇに言いやがって」
「確かにそうかもな。じゃあまたな」
そう言ったあいつの笑顔が頭にこびりついて離れなかった。
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「応援!!応援!!至急急ゲ!!」
鴉の案内で、応援先に向かった。
そこには鬼に囲まれているの姿があった。
しかしどこか様子がおかしい。
うずくまってる…?
「立て!!」
「…………」
俺の声が聞こえていないのか、口を抑えたまま動かない。
駄目だ。あそこに居たらあいつは確実に殺られる。
「チッ!」
____音の呼吸 肆ノ型 響斬無間
鬼の頚を斬り、全員が塵になったのを確認し、蹲っているに駆け寄った。
「おい!」
「………宇髄………か……」
「!!」
手の隙間から零れるほどの血を吐いていたは、俺の顔を見ると少しだけ顔を上げた。
「喋るな!」
「………話しかけておいて………ゴホ………」
「お前いつから……!!」
「………………呼吸を………使うと………ケホッ……」
「遺伝性か?!先天性か?!」
「…………治らない…………呪いみたいなもの……だ………。
妙な血鬼術に……掛かって…………頸を斬ったが………ゲホッ……!」
「もういい喋るな……!蝶屋敷に……!」
を横抱きにした時、その軽さに驚いた。
今までこんな状態で刀を持っていたのが奇跡だ。
蝶屋敷に着くと、血相を変えた胡蝶が出てきた。
先に着いた鴉から状況は聞いていたのだろう。
「しばらく安静に。絶対に点滴抜いちゃ駄目ですからね」
「俺が見張ってる」
「宜しくお願いします」
まだ顔色の悪いを見張るように、俺は傍から離れなかった。