第7章 恋をする資格[〇不死川実弥・宇髄天元]
「俺じゃダメか?」
「………告白の続きですか?」
「せーかい」
告白の続きなら、もう少しマシな場所でやって欲しい。
ここ職員室だぞ。みんな見てるし。
入ってきた生徒も見てるし。
とりあえず手を離して欲しい痛いから。
「手、離してください」
「悪ィ」
「…場所変えましょうか」
職員室を出る時、不死川先生と目が合った。
でも先に逸らしたのは先生の方だった。
チクッとしたのは、心のどこかで止めて欲しいと思っていたから。
人気の無い場所で先生と2人きりになった。
大丈夫、まだ震えてない。
「最近の不死川見てると焦るんだわ俺。
惚れさせるとか言っておいた癖に、逆にお前を怖がらせてばっかで」
「……」
「どうしたらお前は俺に惚れる?」
「……無理ですよ。
私は誰とも付き合えないし、その資格もないから」
「なんだよ資格って。誰でもあるだろうが」
「私には無いんですよ……」
何も知らないくせに。
…知らないから言えるのか。
不死川先生だったら知らなくても察してくれそうなのに。
自分の気持ちに蓋をしたはずなのに、
今もこうして彼の事を考えてしまうのはどうしてなのか。
「無自覚ってか」
「?」
「お前、不死川に惚れてんだぞ。
職員室でお前があいつと話してる度に胸が締め付けられてんだよ
恋する資格なんてないってか。寝言も寝て言いやがれ。」
分かってる。だから蓋をした。
だけどもう無理だった。
不死川先生が私の事が好きなのも分かってた。
私も先生の事が好きだ。だけど。
過去が呪いのように縋り付いてくるから。
「なぁ教えてくれ。お前は何にそんなに怯えてる?」
「……それ聞いて何になります」
「少しでもお前を知りたいから」
「……言えないんです……」
「だから何でだよ!!」
「お願いだから!」
お願いだから何も聞かないで。
「何も……聞かないでください………」
「そんなに言えねぇ事なら何でアイツは知ってんだよ。好きな奴なら言えるってか?」
「もうやめてください…お願いだから…」
これ以上貴方のことを嫌いにさせないで