第7章 恋をする資格[〇不死川実弥・宇髄天元]
「…………い」
先生が私のことが好き……?先生が……?だってあれは同僚として言ったんじゃなくて?
「おい」
「!」
呼ばれてると気付き、声がした方向を向くと、不死川先生が立っていた。
「次、アンタ授業だろォ」
時計を見るとチャイムが鳴る1分前だった。
急いで支度をして、筍組まで走った。後ろから廊下は走るなと聞こえたが、そんなの守っていたら授業に遅れてしまう。
しかし2階の階段を駆け上がろうとした時にチャイムが鳴ってしまった。
謝りながら教室に入り、授業を進めていく。
そろそろ不死川先生と範囲決めなきゃ。範囲広くしすぎると可哀想だし、難しくしても可哀想だ。とくに平均点の半分以下の点数を取った子が。
やめろとは言ったけど聞いてくれるかどうか。補習は赤点取った子だけでいい。
何処で話すか。煙草吸ってる時?それとも職員室で?
上手く話せるかな……。でも直接本人の口から聞いた訳じゃないし、私の勘違いなだけかもしれない。
でも思い当たる節はいくつもある。
引き出しの中に飴を入れるのも、煙草を一緒に吸うのも。
「先生、そこ答え間違ってます」
「え?」
生徒から指摘された答えを見ると、確かに答えは違かった。
駄目だ今考えることじゃない。こういうのは家で考えるんだ。家で
授業が終わり、職員室に戻る。
無くなったはずの飴はいつの間にか補充されていた。
直接渡しに来ればいいのに。
「そろそろテスト範囲決めるぞォ」
「あ、はい」
「どこまでやってる?」
「ここの……」
チャイムが鳴るまで、テスト範囲を決めた。
どうやら少し遅れていたらしいので、明日から少しスピードを上げてやる。
特に変わらず普通に話せたので、私の勘違いだと思う。先生が優しくしてくれるのは、ただの同僚としてからだ。