• テキストサイズ

善い愛し方と悪い愛し方

第6章 霞と微風[☆時透無一郎]


懐かしい夢を見た次の日、無一郎は刀鍛冶の里へと向かった。は行かなかった。その間稽古は不死川が代わりに行っていた。



「お前が時透の継子かァ?」

「ハイ……」



あまり会ったことがなかったので、不死川の圧に彼女は負けていた。顔が怖いし傷だらけだし威圧的だしで恐怖の気持ちになっていた。

しかしいざ稽古をしていくと、自身の癖を指摘してくれたり、良かった点を言ってくれたりした。
無一郎とはまた違う指導の仕方だった。



「今日もよろしくお願いします」

「あァ。昨日言ったところ気を付けながらやれ」

「はい」




稽古をしている最中、無一郎の鎹鴉の銀子が飛んできた。




「あれ時透の鴉じゃねェかァ?」

「ほんとですね。何かあったのでしょうか」



腕を出すと、銀子はそこに止まり胸を張りながら言った。



「耳ノ穴カッポジッテ聞キナサイ!上弦2体ヲ倒シタワ!」

「え?」

「はァ?!」

「アノ子ハ1人デ伍ヲ倒シタノヨ!流石ダワ!」

「え、じゃあ他の上弦は……?」

「フン!上弦ノ肆ハ竈門兄妹ト不死川玄弥、甘露寺様ガ倒シタワ!」

「!」




上弦の伍と肆を倒した。それは大きな兆しだった。



「ん……?不死川玄弥……?不死川……?」



聞きなれた苗字を聞き、彼女は不死川の方を見た。不死川と目が合ったが、彼は逸らした。



「……弟さんいたんですね……」

「弟なんかいねェ」

「無理がありますって」

「うるせェ!とっとと稽古再開するぞォ!!」




そう言う彼の顔は、微かに笑っていたのは誰も知らない話。
/ 111ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp