第5章 素直じゃない[○我妻善逸]
「おいカス!!リビングの電気……」
勢いよく扉を開けた獪岳さんに、私たちは驚いた。
獪岳さんは私たちを見て、動きを停めた。
「な、なななななななんで………」
「…じーさんが忘れ物したから取りに来たんだよ。
んだテメェおっぱじめようとしてんじゃねぇ!!」
「してねぇよ!!早く出てけって!!」
善逸は獪岳さんを追い出し、部屋の扉を閉めた。
これ私帰った方が良くない……?
「泊まってきなよ。おばさんには俺から連絡したからさ」
「………いいの?大丈夫?」
「大丈夫!!」
善逸はベッドの上に座り、私と対面する形になった。
「ねぇ、好きだよ」
「………っ…」
「は?」
「……………好き…………だよ……」
「うん、知ってる。やっと言ってくれたね」
私の両頬を手で包み、唇を合わせた。
「んっ……」
何度も唇を合わせているうちに、彼に熱が入り、彼女の口内に舌を捩じ込み深い口付けをしていた。
彼女は苦しくなり、彼の服を強く掴んだが、口を離すことは無かった。
彼女が彼の胸を強く叩くと、我に返ったのか急いで離れ、彼女の口から垂れてた唾液を吹いた。
「ご、ごめん。苦しかった、よね」
「………ばか」
「……お風呂入っておいで。俺の服貸すからさ」
「うん……」
彼女は渡された服を持ち、風呂場へ向かった