第3章 復讐の糸[☆童磨]
彼女が目を覚ました時、童磨がいない事に気が付いた。
いつも彼女が目を覚ました時も犯し続けるが、
いないことに安心し、新しく首に付けられた噛み跡を摩った。
(今のうちに逃げられるか…?)
いつ戻ってくるか分からない。
だったら今すぐ逃げた方がいい。
そう思い立ち上がると、琵琶の音が聞こえた。
誰かが演奏を始めるのかと思った時、西洋の格好をした男が彼女を見ていた。
気配からして人間ではないとわかった彼女は、逃げる姿勢を取った。
「貴様が童磨が言っていた娘か」
「………………そうだ」
「ふん、私を見ても怖気付かないか。
さすがは柱だな。その柱が滑稽だな。
鬼に体を求められる気分はどうだ」
「………」
鬼の正体が鬼舞辻無惨であることを察した彼女は、逃げられないと確信した。刀も持っていない彼女が無惨に勝てる保証なんて無いに等しかったから。
「残念だが貴様は今から私のモノだ」
「誰がなるか」
「ならこの部屋から出てみろ。出られたら貴様は自由の身だ。」
出られないと分かっているが、逃げなければ確実に鬼にされると感じた彼女は、掛け布団を無惨に向けて投げ、姿勢を低くして走り、襖に手をかけた。
が、腹に触手を回され、後ろに引っ張られた。
「逃げられるとでも思ったのか?楽しい夢を見れて良かったな」
「っ、離せこの糞野郎!」
「…………気に入らんな」
「いっ……!」
童磨の印を消すように、その上に無惨は噛み付いた。
血が垂れるとそれを舐め取り、彼女の陰部に手を当てた。
「貴様には教育が必要だな。誰のモノか分からせてやる」