第2章 ただの同僚[〇不死川実弥・宇髄天元]
先生に家まで送ってもらい、服を着替え、
メイクなんてする時間はなかったから眼鏡をかけて出勤をした。
メガネをかけてる私を見た宇髄先生は何か言いたげな顔をしていたが、知らない振りをした。
「あれ?!先生今日メガネ?!」
「そーだよ。寝坊しちゃって」
「メガネな先生も可愛いぃ〜」
男子生徒と女子生徒からたくさん言われる。
もうおなかいっぱい。
スッピンを隠すためのメガネだから、たまにしかかけて来ない。
カナエ先生は褒めてくれる。
「なんで今日眼鏡なの?」
喫煙所でタバコを吸っていると、宇髄先生が聞いてきた。
「別に………寝坊したからですよ」
「昨日何で帰ったんだよ。それも不死川と」
「不死川先生が帰れって言ったからですよ。
信じられないなら本人に聞いてみたらどうですか」
「時間差があったとはいえ、今日あいつと一緒に来ただろ」
何でこの人こんなに聞いてくるんだろ。
うざいし邪魔だし。
タバコを吸ってる時ぐらい1人にしてほしいし静かにして欲しい。
だからこいつ苦手なんだよ。
だったらまだ口は悪いし怒るとうるさいけど不死川先生の方がいい。
「たまたま通り掛かったから送って貰っただけですよ」
「今日車で来てねぇのか?」
「来てませんね」
……帰りどうしよう。電車で帰るか。
「なら俺が送ってってやるよ」
「いやいいですやめてください」
お前に家を知られたくない。
送ってもらった後絶対変な理由つけて来ようとするから。
「なぁお前、不死川のことどう思ってんの」
「何の意味でそういう質問をしたかは不明ですが、
あの人とはただの同僚です。それはあなたも同じですので。」
「へぇ………なら」
タバコを取られたかと思えば、顎を捕まれ上を向かされた。
「惚れさせてやろうか?」
喫煙所の中で、肌を叩く音が響き渡った。