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善い愛し方と悪い愛し方

第2章 ただの同僚[〇不死川実弥・宇髄天元]


ふと彼女は目が覚め、眠気と戦いながら携帯を探す。
固いものが手に当たり、携帯の明かりの眩しさを我慢しながら、
時刻を確かめる。


朝方の4時12分。



まだ寝る時間はある。
そう思い、再び枕に頭を落とす。


が、ある違和感を覚えた。
枕がいつもと違う。

彼女の枕は、ナマケモノの抱き枕だ。
今彼女の頭の下にあるものは、それとはまた違う枕。




勢いよく起き、部屋を見渡す。
ここが自分の部屋ではないと理解すると、
昨日の記憶を思い出していた。




不死川先生に送ってもらって……
それで……それで…?




取り敢えずこの部屋から出よう。
彼女は掛けられていた毛布被り、携帯を持ちながら部屋の扉を開けた。




まだ朝方だからか、部屋は真っ暗だった。
もしこの部屋の主が寝てるなら、明かりをつけたら可哀想かと思い、携帯の明かりで床を照らしながら歩いた。




ソファがあり、下を向くと、
部屋の主が寝ていた。




ここ…不死川先生の家……??
ってことは………え、?一線を超えた……?
でも服着てるし……いやこれ…私の服じゃない……。




軽く揺さぶると、彼はうーんと言ったが、
起きる気配はなかった。



とりあえず座り、彼の寝顔を見るかのように、
両腕をソファに乗せそのまま顔を付ける。



こう見ると玄弥くんと似てるな。



彼の射撃の表彰式で、表彰賞を破ったのは驚いた。
実の弟にでさえ厳しいのかと思った。




(ねむ………)



























「………………」



何でこいつはここで寝てるのか。



ソファに両腕を乗っけて眠っている彼女を見ながら彼はそう思った。

昨日、結局自分の家に泊めることになり、シャワーを浴びせた。
髪の毛を乾かさずに寝ようとしたものだから、
ドライヤーで無理矢理髪の毛を乾かした。

その後床で寝始めたから、抱えてベットまで運んで寝かせた。
携帯がないと困るだろうからと、携帯は充電器に繋げて枕元に置いた。

なのに何故ここにいるのか。
しかも毛布も被って。



「起きろォ、おい」



体を揺さぶっても起きない。




無防備すぎるのでは?と思った。
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