第3章 どっちかといえば、アーモンドアイだったわ
「ただいま〜、取り敢えずカップ麺と袋麺大量に買ってきたけど爆食しない様に、人間一日食べなくても生きていける。しっかり管理しなさい」
「ほーい」「何で俺に言うわけ?俺、この人の保護者でも何でもないんですけど」
間の抜けた返事をしながら物色する上司とカップ麺も種類ごとに分けて、隠し場所を何処にするか考える相方。
「まぁまぁ、お仕事お疲れ様です。丁度試合が始まるので見ていかれては?」
と、帝襟さんに誘われ、偶には良いかと思い、見て行く事に。ついでに今日の戦利品である。オリジナル麺を狂気の男の前に置く。
カップ麺を見て、ほぼ無表情の顔に鎮座する真っ黒な目が此方を見る。
が、敢えて無視する。丁度試合も始まるし
今日はフランスとスペインか。中々に楽しげな不敵な笑みを浮かべてる中、一人、殺伐とした表情でいる男を見て、思い出す。
「あー、オルフェ誰かに似てると思ったら、ゴルシに似てたんだ」
「あ?何言ってんだよ?同じステマ配合だから似てるの当然だろ」
「おい、競馬の話すんな。つーか、コレ何?品名ないんだけど」
「オリジナル麺『狂気の絵心スペシャル混沌』。そうじゃなくて人間ゴルシと、今日、街であった。外人さんと一緒にいた男の子、兄弟なのかな」
「「「……………………」」」
色々とツッコみたい事があるが取り敢えず
絵心はカップ麺の蓋を開けて湯を入れ、
帝襟さんが胃薬用意しだし、
相方が何やら、スマホを弄りだし、
「ソレってこの人?」
画面を見せる。
「あー、うん。この人、へぇ~サッカー選手なんだー。ふーん」
「この間会いましたよね?」
何なら世話も任せてたのだが、
「会ったけど全然接点無かったし、向こうも覚えてなかったし、もう、会うことないだろし。
大体自分の利益にならない事覚えてるの面倒だし」
そうでなくても日本サッカー協会会長とか覚えていたくない人、覚えているのストレスなのに。セクハラするわで本当、骨へし折ってやりたい。
「仮にも関係者というか、ゲストだったんだろ?何も思い出さなかったの?」
「ん〜?あ、オルフェーヴルというより…どっちかといえば…」