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ちょっと女史〜!

第3章 どっちかといえば、アーモンドアイだったわ


 面倒臭かったが、成り行きで、荷物拾うの手伝ったが、
 この、一般人。つい最近何処かで見たような気がして横目に見る。骨と皮だけの様なヒョッロイ体の何処から大の男締め上げる力が出るのかほとほと疑問だが、中々に良い尻をしてる。じぃ〜っと頭の天辺から爪先まで見てると、視線に気付いたのか目が合う。暫し此方を見た後何事も無かったかのように落ちたカップ麺やら袋麺を拾う作業を再開する。

 そうして拾い集めた後深々と御礼をされ、マネージャーもまた赤ベコの様にお辞儀を繰り返すも、気がすまないのか、気遣いなのか、はたまた売名行為か、俺のサインを渡そうとするが、
 女は無関心な口調と表情で断ってきた。

 暫し居心地の悪い殺伐とした空気が漂っていた。

 「すみません。貴方方に全く興味ないので、お気持ちだけ有り難く頂戴します。」
口調は穏やかだが、物言いが残酷かつ辛辣だ。
 普段自分の方がこういう態度を取ることが多いが、成程、かなり腹立たしい。今さら改めようとは思わないが、不快感が表情に出てたのか。

 「申し訳ありません。私自分の興味のある事や関わりのあること以外覚えない主義でして、貴方方の事、何処かでお会いしたような気はしますがはっきりと覚えてない以上、言っては何ですが取るに足らないものかと、」

 善意でサインを渡そうとしたジローランは顔を真っ青にしていた。日本で糸師冴を知らない人間がまだいたのかと、というか本人の前でバッサリと……

 「まぁ、またお会いする事があればご縁があったのだと思って覚えますが、今は先を急いでるので失礼いたします。日本観光どうぞお楽しみくださいませ。オルフェーヴル」

と言って、一礼して立ち去る。何て? 
 摩訶不思議な事を言われ疑問符を、浮かべているとマネージャーが慌てたようにある方向を指差すと先程の女が一人の女性と話してる。確か、アレはブルーロックの……
 「思い出したわ、あの子ブルーロックでマネージャーしてる」

「……………………」

仮にもサッカー関連の仕事してるのに俺を覚えてない、取るに足らないと、宣いやがった。と、

 やはり、日本は俺に合わない。
 糸師冴は改めて思った。

 
 
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