【MHA】【轟焦凍】【R18】sleepingbeauty
第2章 君に触れたい
「」
ふとこちらに向き直り、彼の手が私の手に伸びる。そして先程寝ていた轟くんに触れていた手をそのまま彼の手のひらが包み込んだ。
じわり、先程触れていた時と同じ温かい心地の良い体温が、彼の手を伝い、私の手の甲を染めていくのに、肩が小さく揺れる
「あ…」
捕まった私の手はなすがまま。ゆっくりとそのまま、彼の手によって広げられた手のひら…指の間を埋めるように、するりと轟くんの指が絡みつく。
先程触れていた時と違い、なんだかもっと近付いてきたような…彼の体温が絡まる指から鮮明に私の肌に伝わっていく。
「轟くん?あの、」
「さっき触ってたよな?」
俺のこと
そう彼から言われて、一気に顔に熱が篭もる。あの時起きていたこと、知らずに欲に負けた自分が恥ずかしくて思わず逃げ出したい衝動に駆られた。
「あ、れは…」
あまりの恥ずかしさに彼に絡め取られた手と振りほどこうと動かすと、『逃がさない』と言わんばかりにぎゅうっと強く握られ、離してくれない。
恥ずかしい。逃げ出したい。
なのに離してくれない。もどかしい。
「轟く、」
もどかしさのあまり、懇願しようと改めて彼の顔を見ようとした時だった。ふにゃり、と唇に柔らかい感触が襲ったのは。