【MHA】【轟焦凍】【R18】sleepingbeauty
第1章 待っていたら微睡みの中
「どうして此処で寝てたの?風邪引くよ?」
「あ、いや…」
気を紛らわせようと、私はふと疑問に思ったことを彼に投げ掛ける。すると轟くんは、なんだか言い淀むように口を噤む。
「…待ってた」
「?」
「お前を待ってた」
彼から出た言葉は思いもよらないことで。驚いて逸らしていた目線を彼を戻すと、今度は轟くんから目を逸らされる。
「…、飯まだだろ?」
「えっ、あー…そうだね」
「一緒に食おうと思って待ってた」
「えっ!?」
轟くんから続けられた言葉に、私は思わず声が上がり目を丸くしたまま彼にずいっと顔を近づける
「な、なんで!?先に食べててよかったのに、」
「俺がそうしたかったんだ。」
相澤先生に言われて流石に先に食っちまったけど…っと不服そうに口を尖らせる彼。逆に私はそれを聞いた途端、良かったっと思わずホッと胸を撫で下ろす。
不服そうな顔付きのまま、轟くんは私に何が言いたげだったけれど敢えて気付かないふりをして目を端に泳がした。
轟くんの思わぬ行動に驚かされるばかりだ。まさか待ってたなんて…。