第1章 アリア
これは本当に言って良いんだろうか···。
男の、しかも同い年の勇利に嫉妬していただなんて。
師弟がそばにいるなんて当たり前の事なのに。
「その···」
「うん?」
「いつも、勇利と一緒にいるから···、その、やきもち···」
「やきもち···?」
「あぁ、えっと···Jealousy···です」
恥ずかしい···。
恥ずかしくて頭が爆発してしまいそう。
ヴィクトルなんかちょっと固まってるし、帰っていいかな。
羞恥に耐えられないよ、また泣きそう。
「あぁ、どうしよう···が堪らなく愛おしい···」
「え?」
引かれたらどうしようかと思っていたら、思わぬ返事が返って来て私は動揺した。
「そうか、勇利ばかり構っていたから寂しい思いをさせてしまったんだね。すまなかった···」
「ヴィクトル···ううん、私こそごめんなさい。こんな時間にどうかしてた···実はお酒飲んでて、それでわぁーってなっちゃってたみたいだし···部屋にもどりま、きゃっ!?」
羞恥のおかげか、酔いが冷めてきて部屋に戻ろうと体を起こそうとすれば、そのままヴィクトルのベッドへ沈められた。