【MHA】【爆豪勝己】(※R18)ハートビートエネルギッシュ
第1章 beat.1
「いいから早よしろ。腹減った」
「それなら先に食べ…」
その感情は表には出さず敢えて爆豪は気にしない素振りで彼女から背を向ける。同時に塑琉奈の言葉が途切れ、とすんっと爆豪の背にもたれ掛かった。
「っ!?おい、どうした!?」
「んっ、わか、らない…なんか急に…身体が、」
塑琉奈の様子がおかしい事に直ぐ気付いた爆豪はもたれかかって来た身体を自分の胸に寄せて彼女の顔を見やる。
塑琉奈の瞳は潤んでいて頬は火照り、ほんのりと赤い。呼吸は荒く、口から漏れた吐息も熱を帯びていて…爆豪は急変した塑琉奈の姿にゆっくりと彼女の頬を触れる。
すると「ん…っ」と小さな悲鳴が吐息と共に漏れ、ぴくりと身体が揺れるのが分かった。
「ばく、ご…。あっ、つ…い…」
「…っ!」
触れた頬はじわりと熱く、同時に塑琉奈から漏れた言葉とその様子に抑えていた感情がじわじわと熱に混ざって内側から広がっていく。
普段からは考えもつかない塑琉奈の火照った身体に艶かしい声と汗、その全てが不可抗力ながらに目の前にある。爆豪はそれをギリギリと歯を軋ませ、耐える。
「(とにかく先公呼ばねぇと…。つーかコレか!?原因は!?)」
塑琉奈の身体を横向きにし、いつでも抱き抱えられる体勢の状態で爆豪は徐に足元に転がった瓶を手に取る。それに何が書いてあるんじゃないかとパッケージシールの裏を凝視する。爆豪はそれを読んだ瞬間固まった
「は?」
そこでやっと先程では見つけられなかった極小の文字。そこには【即効性精力増強剤】と書いてあって…。
おい待て、流石の俺でも分かんぞ。精力増強剤…って…アレだよな…?野郎が女とヤる時にチンコを元気にさせるっつー………あ゛あ゛あ゛あ゛!?
ポクポク、ポクポクと爆豪の頭の中で自分の知りうる知識を絞り出し同時にチーンっと答えが出た瞬間、声にならない叫びが頭の中でこだまする。
「こんなもん置いたヤツ誰だよ…!!」
こんなもん飲んだって先公たちに言えるわけねぇだろがァァ!!!!
同時にふつふつと怒りを込み上げながら一気に塑琉奈を抱き上げ、爆豪は真っ先に自分の部屋まで走り抜けて行った。