第12章 1番のお薬は…
「とりあえずあったかくして寝とけ…
俺買い物行って適当に食べれそうなもんとか
薬とか買ってくるから」
そう言って
立ち上がり
上着を羽織る翔太に
罪悪感で押し潰れそうになって
「ごめんなさい…」
そう言って
ぎゅっと背中に抱きつくと
「ん…別にいいから…」
なんて翔太は私の手にポンポンと
優しく触れる…
もう…無理だ!!
これ以上嘘をついたら
私は私を許せなくなる…汗
だから勇気を出して
ゆっくりとマスクを外して
「翔太…ごめん…
私ほんとは風邪じゃない…
これ…見られたくなくて…
嘘ついて…ごめんなさい…」
そう言って翔太に顔を見せると
驚いたように私の顔を見つめて
「心配して損したわ笑」
なんて私の鼻を指差し笑い出す
「そんなに笑わないでよ…
私は本気で悩んでたんだから…」
笑われたことも
こんなことで嘘をつく自分も
全部があまりに恥ずかしくて鼻を隠して
床に座り込んだ私に
「ちょっと待ってろ…」
そう言って翔太は
私を置いて
家から飛び出して行った…