第11章 踏み出す勇気
「好き…私のことが…?」
信じられなくてそう聞くと
「うん…好きだよ…?」
そう言って
照の目が優しく私に笑いかけてくる…
それでもまだ信じられなくて
「嘘だよ…だって照は…」
「俺が何…?」
「いつも照の周りにはかわいいこばかりいて
今だってそうで…
なのに私を好きになる訳ないよ…」
そう言ってまた下を向くと
「それが不機嫌の理由…?
いい加減気付いてもいいんじゃない?
こんなにずっと一緒にいるのに
俺の愛…全然伝わってない…?」
そんな照の声が耳元で聞こえる…
それでも上を向けない私に
照は床に座り込み大きな体を小さくして
私を見上げると
「信じられないなら
無理やり信じさせるからな?」
そんな言葉と一緒に
照の顔がぐっと私に近付いて
有無を言わせず唇を塞ぐ
ピリピリと甘くむずがゆい電気の走る感覚が
触れた唇から全身に走り抜ける
何度も何度も唇が角度を変え触れては
さらに深くなって行くキスに
苦しくて
でももっと触れていたくて
咄嗟に掴んだ腕をギュッと握りしめると
それに気付いた照は
嬉しそうに笑って唇を離すと
「今…お前どんな顔してるか分かる?
俺のこと大好きって顔してるよ笑?
たぶん俺もそうじゃない…?」
そう言って私の顔を
見つめる照の顔は
なんだかすごく嬉しそうで
「お前可愛すぎ…」
なんて照れたように
抱きしめられた胸から
聞こえる照の心臓の音は…
苦しいぐらい暴れてる私の心臓と
同じぐらい早くて
そこから伝わるのは
ずっと側に居て感じてた
大きくて強くて確かな
照の愛だ…