• テキストサイズ

すの日常

第11章 踏み出す勇気


「熱は…無いみたいだけど…」

照の大きな手が額に触れて

ドクンドクンと胸が騒ぎ出す


照にバレたくなくて

慌てて照の手を掴みおでこから離して


「私は大丈夫だから…

ご飯食べて…

仕事で疲れてるだろうし早く家帰りな…?」


そう言って

私を見つめる照の目から顔を逸らすと

小さなため息が聞こえてくる



わかってるよ…

自分がどれだけめんどくさい奴か


告白する勇気もないくせに

いじけて八つ当たりして

どうしようもない


それでも私は…



「ねぇ…ちょっとこっち向いて…?」



そんな照の声がして



「嫌だ…」


そう言って下を向くと



照の両手が私の頬を包み込んで

無理やり顔を上げさせられる


「最近何に怒ってそんなに不機嫌なのか

いい加減白状しない…?」



言えば終わっちゃう

だから絶対に…


「…しない」


「俺…嫌なんだけど…-?

お前が笑ってないの…」


そんなふうに言われても

作り笑いさえ出来ない日だってあるんだよ…



「今日は…無理…」


「笑うまで帰らないぞ笑?」


こんな時でさえ

どこまでも優しすぎる照の笑顔が憎たらしい…


「私のことはほっといて

早く帰れ…」


涙が出そうになって

そう言ってぎゅっと目を閉じると



「好きだからほっとかないよ?」



そんなあり得ない言葉が聞こえてきて

ちゅっと音を立て

柔らかい感触が唇に触れる…


驚いて目を開けると



「好きだよ…〇〇…」

そう言って笑う

照の顔が目の前にあった…
/ 90ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp