第9章 隠してる気持ち
伸ばした指先が君の髪に触れそうになった瞬間
玄関から賑やかな音が聞こえて
ガチャリと扉を開く音に
慌てて手を引っ込めると…
「〇〇…ごめん!!
誕生日…明日だって勘違いしてて…
1人にしてほんとにごめんね…?」
なんて言う
佐久間の声に君は真っ赤に頬を染めて
すごーく嬉しそうに
佐久間に駆け寄り
「大丈夫だよ…?
さっきまで深澤くんと一緒にご飯食べてたんだ笑」
そう言って
俺が見たかったキラキラの笑顔で
佐久間を見つめる…
「え…ほんとだ…
なんかふっかさんがいる笑」
なんて笑う佐久間に
「お前…彼女の誕生日忘れるってどんだけだよ笑
誕生日のご馳走は全部俺が食べたからな?
ちょっとは反省しろ笑!」
そう言って席を立つ俺に
「うわぁ…まじか笑
〇〇のご飯美味しいから俺も食べたかったなぁ…」
なんて分かりやすく悔しそうな顔をする…
そんな佐久間を横目に
「じゃあ俺はもう帰るから…
あとは二人でゆっくりしな笑?」
そう言って玄関に向かう俺の背中に
「じゃあね〜笑」
なんて明るい佐久間の声が聞こえた…