第9章 隠してる気持ち
たいしたものはない…
そう言ったくせに
机に並ぶ料理は
すごく手の込んだものばかりで
きっと佐久間とお祝いしたくて
頑張って準備したんだと
嫌でも分かってさしまう…
「すごいごちそうだね…
ほんとにこれ俺が食べていいの…?」
そう遠慮気味に聞くと
「一人じゃ食べきれないから…
一緒に食べてくれると助かるよ笑」
なんて笑う君に
それ以上何も言えなくて
「いただきます笑」
そう言って
佐久間のために用意されたご飯を
口の中に押し込んだ…
ただただ笑った顔が見たくて
くだらない話をこれでもかと
必死に紡いだ
ケラケラと明るい笑い声を聞くと
少しほっとするけど
時折見せる少し寂しそうな横顔に
胸がチクチクと小さく傷んだ…