第1章 やきもち
渡辺さんの場合〜
ソファーに座りテレビを見ていると
いい匂いがしてきて
空腹を忘れていたお腹が
ぐぅ〜っと豪快な音を立てる…
「今日のご飯は何…?」
キッチンに歩いて行き
手際よく料理をする彼女に声をかけると…
「今日はオムライスだよ?
サラダは冷蔵庫に入れてあるし、
スープもお鍋に入ってるから温めて食べてね?」
そう言ってこのみは出来たての
オムライスにラップをかける…
「一緒に食べないの?」
「え…?私昨日言ったよね…
今日は友達とご飯食べに行くって?
昨日夜翔太眠たそうだったから
聞いてないと思った笑」
そう言ってエプロンを外し
メイクを直し始めたこのみに
「そうだっけ…ごめん…
ちなみに誰と行くの…ご飯?」
なんて何気なーく
聞いて見たら
「だから昨日も言ったよ…?
幼馴染のなおきとだって笑」
そんな俺の大嫌いなやつの名前を
このみは笑顔で言い放った…