第8章 あざとい悪魔
「あの…私は何を…やらかしたんでしょうか…?」
聞くのも怖い…
けど知らないままも怖い…
どちらも怖いけど
やらかしてしまったならば
事実確認をしてとりあえず謝らなければ…汗
「昨日のことどこまで覚えてるの…?」
少し冷たい亮平の声に
びくりと体が跳ねる…
これは余程のことをやらかしたのか…汗
なんて恐怖に慄きながら
「えっと…一軒目を出て
二軒目に行ったところまでは覚えてるんだけど
そこからの記憶が曖昧で…
多分同期の吉川くんと話をしてて…」
そう言った瞬間亮平の目が私をまっすぐに
見つめる…
「吉川くんね…
それって昨日〇〇をここまで送ってくれた人
だよね?」
「そう…なの…?吉川くんが…?」
「ほんとに覚えてないんだ…?
キスされたことも…?」
キス…?
私と吉川くんが…?
まさか…ありえない、ありえない笑
そう思うのに
なぜだか頭の中で
吉川くんの顔が目の前に近付き
唇と唇が触れた映像が
鮮明にフラッシュバックした…