第7章 冷静と情熱の間〜ラウールの場合〜
「ねぇ…僕のこと好き…?」
そう聞くと決まって彼女は
「当たり前でしょ?
ラウが大好きだよ笑」
そう言って
僕の頭をよしよしと撫でる…
最近の僕は
それがとっても気に入らない…
少し前の僕は
彼女に名前を呼ばれるだけで
嬉しくて
その手に触れられるだけで
ドキドキ胸が高鳴った…
でも今は
僕の名前を呼ぶ声に
もっと熱を帯びてほしい
子供みたいに
よしよしと頭を撫でるんじゃなく
もっと僕を求めて欲しい
好きになるほどに
欲張りになっていく自分に
驚かされるけど
すごくすごく大好きだから…
彼女にも
どうしようもないほどに
僕に溺れて欲しいと願うんだ…