第6章 冷静と情熱の間
ことごとく失敗する作戦に悶々としながら
お風呂を終えリビングに戻ると
先にお風呂を済ませた涼太は
一人テレビを見ながらビールを飲んでいて
そっと近づき涼太の手からビールを
奪い“おーい笑"なんて文句を言う
涼太を横目に一口喉に流し込むと
口の中いっぱいに苦味が広がり
たまらずくしゃくしゃな顔になる…
「飲めないくせに何してんのもう…笑」
なんて笑いながら私の手から
ビールを取ろうとする涼太から逃げて
寝室に駆け込むと
そんな私の後を追いかけて
涼太が寝室に入ってくる…
これはチャンス!
なんてビールを机の上にしっかりと置き
寝室に入って来た亮太を捕まえて
ベッドの上に押し倒すと
私にいきなり押し倒され
不思議そうな顔をする
涼太と目が合う…
ドクン…ドクン…ドクン…
心臓が痛いくらいに暴れ回る
だから私がドキドキしてどうするだ!?
なんて情けない我が心臓に喝を入れ
「どうしたの…?
今日の〇〇なんか変じゃない…?」
なんて子供を心配する父親の顔をする
涼太にゆっくりと顔を近付けた…