第6章 冷静と情熱の間
「美味しかった…笑」
作ってもらった料理を見事に完食し
幸せいっぱいの私に
「俺洗い物しとくからあっちで休んでな?」
なんて涼太は
また早々に私をキッチンから
追い出そうとする…
でも今度は負けじと
「私がするから亮太こそ休んでて…?
作ってもらったんだから後片付けぐらいは
私がやる!!」
そう意気込んで
食器を流しに運んでいると
ガチャーンっと盛大な音を立て
お皿が床に吸い込まれていき
「危ないからじっとしてて…?」
なんて涼太は素早く割れたお皿を片付けると
その場に固まったままの私を
軽々と抱えてソファーまで運ぶと
「気持ちだけもらっとくね?」
なんてクスクスと笑いながら
キッチンに戻って行ってしまう…
なんて役立たずな私…
これじゃあまるで
世話が焼ける子供と
面倒見のいいお父さん
みたいじゃないか…涙
違う違う…
そうじゃなくて
私は涼太を
ドキドキさせたいんだってば!!!