第6章 冷静と情熱の間
少しでもかまって欲しくて
「涼太、涼太…
私も何か手伝おうか…?」
なーんて料理をする彼の周りを
うろうろしてみても
「はいはい、
手伝うって言っても
〇〇は全く料理できないでしょ?
逆に危ないからあっちで座ってて?」
なんてあっけなく追い払われ
あえなく撃沈…
確かにさ…
料理の才能は皆無で
包丁握れば手を切るし…
お皿を洗えばもれなくお皿を割っちゃうけど…
私は私なりに
頑張ってるつもりなんだけど…
努力と不器用が闘うと
どうしても不器用が勝ってしまうんだよなぁ…涙
ひとり悲しみに暮れていると
「ほら、ご飯出来たからこっちおいで?」
なんて私を呼ぶ涼太の声に
人間には無いはずの尻尾を
ぶんぶん振りながら席に着く私…
情けないにもほどがあるぜ…涙