第5章 ありのままの自分
「はぁ…」
蓮は小さくため息をついた後
ほっぺたを流れ落ちる私の涙を
指先で拭い
まっすぐな目で私を見つめる…
いい加減嫌気がさしたよね…?
いつまで経っても自分に自信がなくて
蓮の気持ちを疑ってしまう
いっそ嫌われた方が楽かも…
なんてやけになりかけた時
急に蓮の顔が近づいて
ちゅっと触れるだけのキスをする…
驚いてぴたりと止まった涙に
「効果抜群笑」
なんて可笑しそうに笑うと
ふんわりと私を抱きしめて
「あのさ…
一つ頼みがあるんだけど聞いてくれる?」
そう耳元で囁く声に
小さく頷くと…
抱きしめていた体を離して
「これ…一口でいいから食べて…?」
そう言って目の前にシュークリームを差し出す…
まっすぐな蓮の目に
仕方なくシュークリームを受け取り
一口頬張ると
ずっと我慢してと甘さが
口の中に広がって
体中が幸せで満たされてていく…
「悔しいけど美味しい…笑」
なんて笑う私を見つめて
「その顔が俺一番好きなんだよね…笑」
そう言って蓮は嬉しそうに私を見つめた…