第5章 ありのままの自分
「あの…なんか怒ってる…?」
不機嫌な顔の理由が分からず
蓮を見つめると
「さっき抱きしめた時感触が少し違ったから…
もしかしてダイエットしてる…?」
そう言って私のほっぺたに手を伸ばし
大きな手で包み込む…
「うん…あのね?
蓮に会えない間にダイエット頑張って
3キロ落としたんだよ?
このまま続けていけば
もっと痩せて
蓮に喜んでもらえるかなって…」
そんな必死の私の言葉は
「悪いけど…ちょっと黙って?」
そんな蓮の言葉に遮られて
喉の奥で行き場を失う…
「俺に喜んでもらえるって何…
俺一度でも痩せてほしいって言った?
ずっと言ってるよね…?
そのままで十分かわいいって…
なのに…何で?」
知ってるよ?
蓮は今のままの私を好きでいてくれてるって
でも怖いんだよ
こんな見た目の私が
いつまで蓮に好きでいてもらえるのか…
でもそんなこと蓮に言えるはずなくて
言えない言葉の代わりに
ポロポロと涙が溢れてきた…