第2章 溺愛
嬉しそうに私の頭を撫でる照に
「今日…久々のデートだったのにね…」
そうポツリと呟くと
「いいよそんなの…
またいつでも行けるし
そんなことよりくるみの方が大事!」
なんて照は私を見つめながら言う…
私はどうにも…
照の子供みたいな無邪気な笑顔と
このまっすぐな目に弱いみたいで…
そんなふうに見つめられると
「そうだね…また今度行こう…」
なんてつい笑ってしまう…
でもそんな私に
「くるみが外でデートするの
楽しみにしてたのは気付いてたよ…
でも嫌だったんだよ
俺以外の誰かが
くるみをそういう目で見るの
ごめんね…
俺のわがままで結局お家デートになっちゃって…
今日デートの時に渡そうと思ってたんだけど…」
そう言って照は
小さなリボンのかかった箱をポケットから出して
私の手のひらに乗せる…
照の膝から頭を起こして
小さな箱を開けると中から
見慣れた鍵がコロンと転がり出した…