第1章 やきもち
家まで来てしまったものを
追い返すわけにもいかず
仕方なく家の中に招き入れたまでは
よしとしよう…
でもね…?
2人分しか用意してない料理を
とりあえず彼女と康二に出して
新しく自分の分を作ってる今
なぜ俺がゆきのために作った料理を
楽しそうに笑いながら康二が食べてるのか…
俺だけが見るはずだったゆきの笑顔…
俺が独り占めするはずだった美味しいの言葉…
その全部が康二に向けられるのは
なんだか納得いかない
だから急いで料理を作り終え
ゆきの隣に座ろうとした瞬間
二人は
「「ごちそうさまでした」」
なんて声を揃えて席を立ち
「涼太ちょっとコンビニ行ってくるね?」
そう言って二人は
俺を残して家を出てしまった…
なんでこうなった?
ゆきのために作った料理
二人で過ごすはずだったロイヤルな時間
全部が思い通りに行かなくて
せっかくの料理も
なんだか食べる気になれなくて
素早く洗い物を済ませて
ベッドに潜り込んだ…