第1章 やきもち
向井さんの場合〜
「ねぇ…まだ仕事終わらへんの…?」
夜遅くに仕事から帰ってきたのに
家でまで仕事してる彼女にそう
問いかけると
「うん…後もう少し…」
そう言ったのに
0時をすぎてもまだ机に向かったまま
動こうとしない…
わかるよ…?
仕事が大事なのは…
俺だって仕事は大事やで…?
でもな…?
お互いに忙しいからこそ
一緒に居れる時間は大事にしたいやん?
だから諦めずに
「なぁ…優?」
もう一度
そう呼びかけてみたけど
「うん…もう少しだから…」
優からはさっきと同じ答えが
返ってきただけやった…