第1章 やきもち
彼女が出かけて3時間が経って
テレビを見て
時間を気にしていないフリをするのにも
少し疲れてきた…笑
もうすぐ11時になるのに
全く帰ってくる気配がない彼女に
仕方なく電話してみると
長い長いコール音の後聞こえて来たのは…
「もしもーし…
辰哉ですか…?今どこにいるの笑」
なんて言う
かなり酔っ払っているであろう
みくの声で
慌てて上着を羽織り
「今どこ…?
迎えに行くから早く言って?」
そう言って家を飛び出した…
タクシーに乗り
彼女がいる場所に向かいながら
「行くな…」
そう家を出る時
言えなかった自分に
無性に腹が立った…