第1章 やきもち
深澤さんの場合〜
今日友達と出かける予定のみくさんが
どこか落ちつきがない理由…
それは
「ご飯食べるだけって言ってたでしょ?
合コンとか聞いてないよ?
私彼氏いるもん…いや…でも…
わかったよ…今回だけだからね…?」
なんて電話をリビングでしているのを
昨日お風呂上がりにこっそり聞いた俺が察するに
本日俺の彼女は
俺に秘密で合コンに行かれるようです…
「帰りは何時ぐらいになりそう…?」
と…そわそわ落ち着きなく時計を見たりしている
みくさんに話しかけると…
「えっと…うん…
そんなに遅くはならないよ…?
今日は友達とご飯食べるだけだからさ…」
なんて分かりやすく動揺して
聞いてもいない情報まで
付け加えてくれる…笑
本音を言うなら
合コンになんか行かせたくない…
他の男なんか見て欲しくも無い…
でも…
ちゃんと俺のところに帰ってくるって
信じてる
だから余裕なフリして
「じゃあ行ってくるね?」
そう言って笑顔で手を振る彼女を
何も言わずに送り出した…