第4章 お仕置き
「はぁ、相変わらず面倒だね」
風花「しょうがないよ、余計な物を持って来る輩が多すぎたからね」
登校時間、風花と一緒に玄関に入った途端ため息をついた。
なぜなら抜き打ちで持ち物検査をしていたのだ。
この学校は、昔タバコやらお酒やら変なものを持ってくる人が数名いたようで、抜き打ちの持ち物検査が習慣になっている。
不真面目な数人のために全員、自分のカバンの中身を調べられるのだ。迷惑極まりない。
風花「うへー、しかも今日の担当木茂山?」
風花は列の前の方を見て嫌な顔をしていた。
毎回担当の先生が異なるのだが、今日は木茂山先生のようだった。
風花「そういえば大丈夫、?」
「なにが?」
風花「ほら、私達がを学級委員にしちゃったじゃない?木茂山に変なことされてない?」
風花のその言葉にビクッと肩を震わせてしまった。
案の定風花は何かされたと勘違いしている。
風花「何かされたの!校長に訴えるから言いな!?」
「いや、違うのっ、何もされてないから」
必死に弁解するも、一度疑いをもってしまったらなかなか印象は変わらない。
木茂山先生に申し訳なく思いながらいた。
列はどんどん進み、次は風花の番だった。
風花「釘刺しとくから!」
そう言って木茂山の待つ長机に向かう。
少し離れたところでカバンを見られている風花が「に手ぇ出さないでくださいよ!そんなことしたらすぐに校長に言いますからね!」と言っているのが聞こえる。
もう、気まずくなるからやめてほしいと思うが、風花はきっと私のためを思ってくれているのだ。
「ごめんなさい、木茂山先生」
自分の番になり、苦笑いをしながらカバンを出して謝る。
木茂山「なんのことだかな。しかし、最近の学生は真面目な奴が多いのか」
「え?」
木茂山「俺が学生の時にはエロ本とか当たり前に持ってきてたからな」
「・・・はは」
今言われたことを風花に言ったらきっとブチギレるのだろう。あまり深く考えずに軽く笑って流した。