第4章 いつかの約束
それでも、私だってに〜ちゃんの居場所になりたい___。
「それにしても…タイミングがちょっと悪そうですよね?」
「復帰して次のお知らせが彼女ができました~ってのは、ファンの子が困っちゃいそうなんだぜ?」
『それは…確かに?』
「う~ん、それは俺もちょっと考えてたんだ。その辺は敬人ちんと相談しようと思ってる」
「蓮巳先輩ならきっとうまくやってくれるんでしょうけど、ぼくたちにも何かお手伝いさせてください♪」
「ありがとう。じゃあそんなわけだから、また事務所に戻るぞ」
「はい。俺たちはこのまま練習を続けてます」
そう言って練習室を出る。
私が思っていた以上にに〜ちゃんはちゃんと今後を考えてた。
私が考えてなさすぎるだけ?
いやでも私業界のこととかわかんないから、考えても無駄な気が…
「あれ~?なずなくん、とその幼馴染ちゃんじゃん。なんで一緒にいるの~?」
「薫ちん、お疲れさま。ちょうど探してたんだ」
なんで私のこと知ってるんだ、って思ったけど、
そういえばなんか私のことデートに誘ってきたんだっけ…
「ふーん、そうなんだ。幼馴染ちゃん、初めまして。俺は”UNDEAD”の羽風薫だよ♪」
『初めまして…?黒須澪です』
「澪ちゃんかぁ、かわいい名前だね♪」
「こないだ澪をデートに誘ってたけど、もう澪はおれのものだ」
「えっ、なずなくん本気で告白したの?」
「そうだ。澪はおれにとっても、ずっと大切な存在だったからな」
「なずなくんのものってことは澪ちゃんも告白受けたんだ~」
改めて面と向かって言われるのが恥ずかしくて
少しうつむきがちにうなずく。
「残念だけどそれなら仕方ないよね。俺もいざぎよく手を引くよ…って何その目」
「いや、薫ちんならあきらめないと思ってた」
「えーなにそれ、ひどくない?俺だってちゃんとわかるよ、澪ちゃんがなずなくんしか見てなくて、俺のほう向いてくれてないことくらい」
『!?すみません、無意識でした…』
「かわいい女の子に見てもらえないのは悲しいけど、それだけなずなくんのことが好きなんでしょ?無理やり引きはがして女の子の悲しむ顔は見たくないからね♪」