第4章 いつかの約束
繋がるかはわからないが聞かないままも釈然としないので
に〜ちゃんに電話をかけてみる。
さすがに出ないかと思って切ろうとしたところでスマホから[もしもし?]と声が聞こえた。
「あ、もしもし?ごめんね、生放送後に」
[ううん、大丈夫だぞ。どうかしたか?]
「どうかした?って自覚ないの?」
[あぁ、結婚前提がどうってやつか?]
「そう!あれ私知らないんだけど!?」
[あはは、話すタイミング逃しちゃったからサプライズにしようと思って]
「いや本人には言ってよ…」
つい嫌味っぽくなってしまった。
に〜ちゃんがそこで黙るので言い方が悪かったかな、と反省しつつ口を開こうとしたら
私より先にに〜ちゃんの声が聞こえた。
[…ごめんな、勝手に公言しちゃって。…俺と結婚するのは嫌か?]
「私もごめんね、そういう意味で言ったんじゃないの。私だってに〜ちゃんさえよければしたいよ、結婚」
改めて口に出すと恥ずかしくて語尾がすぼんでしまう。
電話越しでに〜ちゃんがほっと息をつくのがわかる。
[おれさえよければって、おれはお前意外と結婚どころか付き合うつもりもないぞ!]
「ふふ、そうだよね。それは私も一緒」
[今すぐは無理だけど、いつか必ず二人で幸せになろうな]
「うん。私は今でも十分幸せだけど(笑)」
[あはは、それもそうだな。でもおれは澪と一緒なら世界で一番幸せになれる自信があるぞ♪]
「大げさだなぁ(笑)。…に〜ちゃん、大好きだよ」
[なっ!おれも澪のこと大好きだけど不意打ちはずるくにゃいか!?]
やっぱり私は幸せ者だ。
大好きな人と付き合えて結婚の話もできて。
いつかの約束が本当になっちゃったなぁ…
に〜ちゃんの隣でずっと笑っているのは私でありますように