第4章 いつかの約束
『可愛くてもかっこよくてもかっこ悪くても、全部に〜ちゃんだから。私は好きだよ?』
「なっ!?急にそんにゃこと言うにゃよにゃ!」
『しっかり照れてるじゃん(笑)』
「誰のせいらっ!」
『だからごめんて(笑)。でもいいの?アイドルが恋人作って。事務所とかファンとか大変じゃない?』
「アイドルって言っても一人の人間だぞ。恋愛感情持っても変ではないだろ?女好きのアイドルだっているわけだし」
特定の人差しすぎでしょ(笑)。
まぁ確かに変ではないけど、でも説得には関係なくないか?
「なんにせよ、おれが決めたことだからなんとかするよ」
『なんかできることない?』
「この後予定あるか?」
『ないけど』
「じゃあおれと一緒に事務所まで来てくれないか?澪が一緒の方が心強い」
『わかった。それくらいならできそう』
善は急げ。
そのまま会計を済ませて店を出る。
払おうとしたらに〜ちゃんに止められたので、に〜ちゃんに奢ってもらうことにした。
に〜ちゃんが会計をしてくれてる間に外でタクシーを探す。
運良く空車が見えたため店の前で止まってもらう。
ほぼ同時にに〜ちゃんが店から出てきた。
タクシーに揺られながらずっと気になっていた質問をぶつけてみる。
『今日のエスコート、やけに手慣れてた気がするんだけど』
「あぁ、あれは“Knights”のメンバーにちょっと聞いてみたんだ。自然に見えてたならよかったぞ♪」
『なぁんだ、てっきり誰かエスコートしたことあるのかと』
「澪はほんとにおれをにゃんらと思ってるんらっ!」
『だって、に〜ちゃんモテそうじゃん』
「…そうか?」
あ、無自覚なんだ…
アイドルって問答無用でモテる気もするけど…
タクシー代もやっぱりに〜ちゃん持ちで、ESについた。
こまめに連絡してるところを見ると、多分事務所とかに話をつけてるんだろうなと思う。
「こっちだ。話を聞いてくれるのは敬人ちんらしい」
『敬人ちん…?』
「“紅月”の蓮巳敬人って聞いたことないか?」
『なんとなく…?』
「澪ってもしかして、“Ra*bits”以外見てないのか?」
『うん…に〜ちゃん見たくて…』
「そっか。ずっと見ててくれてありがとな」