第4章 いつかの約束
「うん。いつからとかは正確にはわからないけど、澪のことを好きになったのはおれが一番最初だ。それは譲れない」
『……っ』
「!?にゃんで澪が泣くんだ!?そんなに嫌だったか!?」
『違う、嫌じゃない。ただ本当に嬉しくて…』
「それって…」
『うん、私もに〜ちゃんのこと好きだよ。小さい時からずっと…』
に〜ちゃんは目を見開いて、すぐにちょっと笑って。
向かいの席から私の隣に来て。
そのまま少し遠慮がちに抱きしめてくれた。
「よかった…振られたらおれ、立ち直れなかったかもしれないな」
『私も一緒。ありがとう、に〜ちゃん』
「?何がだ?」
『うーん、なんか色々?』
「あはは、なんだそれ(笑)。なぁ、澪。小さい頃にした約束、覚えてるか?」
どの約束だ…?
色んなこと約束した気がするけど、私覚えてるの一個しかない…
「ほら、おれが澪に向かって大きくなったら、結婚するぞ!って言ったやつ」
『!覚えてるよ!に〜ちゃんこそ、それまだ覚えてたの?』
「だから忘れるわけないらろっ!おれをにゃんだと思ってるんら!」
『ごめんて(笑)』
「笑うにゃ!…それ、今のおれに叶えさせてくれないか?」
人は本当に驚いた時は声も出ない、というのはどうやら本当らしい。
現に私はに〜ちゃんを見ることしかできなくて。
「流石に今すぐは無理かもしれないけど、タイミングを見て叶えさせてほしい」
『本気で言ってる…?』
「本気だ!だから、今はそれを叶えるためにおれと付き合ってほしい」
『…え?』
「おれの彼女になってほしい、って言ってるんだ♪」
『なんで楽しそうなの…?てゆーか私でいいの?』
「澪だからいいんだ!他の誰かじゃダメなんだ」
こんな幸せが日があっても良いのだろうか。
むしろ明日が命日なのでは?前世にどんな徳を積んだ?と思うほど
一番理想の未来に近づいている。
「澪にはおれの隣でずっと笑っていてほしい。ダメか?」
『ダメじゃ、ないです…』
「あはは、澪の顔真っ赤(笑)」
『逆にに〜ちゃんはなんでそんなに平然としてるの…』
「平然を装ってるだけだけどな。かっこ悪いおれは見せたくないんだ」