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こちら、MOB飼育係5[ktkb]

第4章 たいたい牛目線


「おい、おおはら! 何持って来てるんだよ?!」
 なんとなく予想がつきながらも俺がそう聞くと、おおはらはなんの気にもせずサラリと、
「救急箱だ」
 と言ってのける。
「それってまさか……」
 俺が言い終わらない内に、おおはらは救急箱を器用に開けてきおきおの怪我を治そうとし始めた。これどう使うんだろな? こうじゃね? この二匹、いつも呑気過ぎる。
 ガサガサガサ……。
 ほら、俺が何か言う前に例の人間が追いかけて来たじゃないか! と思ったら、そこにいたのは妙な生き物で俺たちは言葉を失った。
「あれ? こんなところにMOB三匹……?」
 人間っぽい見た目はしているが、頭に紫のキノコが生えている。人間の言葉を話しているが、俺たちMOBにも聞き取りやすい発音だ。
「ぼんじゅーる、ぼんじゅうるだ、どーもでーす!」俺たちの困惑をよそに、キノコ人間はそう言い出した。「丁度良かった! 俺、MOB探してたんだよね〜。手乗りMOBじゃないけどいいよな? ちょっとこっちに来てくんない?」
 黒い眼鏡で両目を隠しているキノコ人間は、見るからに怪しかった。だけど俺が何か言うより早く、きおきおの明るい声が空気を裂いた。
「はい、ついて行きます!」
「おい、ちょっときおきお! いいのかよ、こんな人みたいなの信じて!」
 と俺は言ったがもう遅かった。
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