第2章 きおきおニワトリ目線
俺たちは、たいたいとおおはらMENと一緒にとある牧場から脱走して来た「元家畜」。
自由を求めてあちこちと移動しまくっていたところ、森みたいなところが人もいなくて丁度いいと暮らしていたのだが、なんてことだ。この森にはトゲトゲした低木があるじゃないか!
「あ、ごめんっ、動けねぇ! たいたい、おおはら、先に行くんだ!」
羽がトゲトゲした低木に引っ掛かってしまい、俺は怪我をしてしまった。
すると先を歩いていた牛のたいたいと豚のおおはらが振り向いた。
「またか、きおきお劇場」
とたいたいは呆れたが、おおはらはこちら側に立ってこう言った。
「なんてことを言うんだ、たいたい! ガチで怪我してるニワトリに!」
「え、ほんとに?」
おおはらの言葉にたいたいは少し焦った様子で俺のところに戻ってきた。俺は大袈裟に泣いたフリをした。