第8章 たいたい牛目線2
「よし、これでいいかな」
牧場を抜け出して行く宛てもない俺たちに、怪しいぼんさんの勧誘でMOB楽園を作るという役目をもらった。
俺は力もあって牛だからと、MENというピンクキノコ人が作ったよく分からない道具を引いて土を耕していた。後ろではきおきおがぴょんぴょん跳ねる役目を持っている。楽しそうなきおきおと違い、俺の仕事はかなり重労働だった。
「あれ、たいたいさん終わり?」
ただ俺が引いている道具に乗っていただけだというのに、きおきおがそんなことを言う。一旦焼き鳥にしていいかな??
「きおきおだけもう一周してきてくれる?」
「えっ! 俺、ニワトリだから無理だよ!」
と騒ぐきおきおを横目に俺は周りを見渡した。MOB楽園とはいえ、まだ何もない開けた場所。そこにはキノコ人という人間なんだかMOBなんだか分からない五人がいて、ここからでは見えないが手乗りMOBのカズさんとお嬢……っと、さんだーちゃんって名前のパンダがいる。
そして、時々男女の人間が俺たちMOB楽園に手伝いにきていた。女の子の方の人間は仕切りにカメラってやつをこちらに向けて何かしているけど、俺にはよく分からない。
そして男の方の人間は、あの日俺たちを襲おうしていたはずの人間だったが、何もしてこなかった。そんなことよりよく飯を用意したり、特に俺には毛繕いなんかしてくれる。悪くはないんだけど、どっちかっていうと女の子の人間の方にされたいな〜なんて思ってたり。
そこにおおはらが割り込んでくるのがいつもの光景になっていた。