第7章 きおきおニワトリ目線2
「こういう時はアレだ! ホウタイを巻いたらいいと思うぞ!」
「ええ?! ここにいたんですか?!」
近くの切り株に小さいMOBがぴょんぴょんと跳ねていた。濁った赤みたいな色をした生き物で、手乗りストライダーというMOBらしい。名前はカズさんで、長く人間と暮らしていたから人間のやり方を色々と知っているらしい。
「でも、ホウタイってなんですか?」
これは俺が聞いた。俺たちは今まで嫌な人間のことしか知らなかったから、人間のことを全然知らなかったのだ。
「ホウタイは人間の町にしかないからなぁ……さんだー、何かいい案ないか?」
ん? まだ誰かいる……?
「さんだー、三歳だから難しいことは分かんないよ」
見ると切り株の根元には、カズさんと同じくらい小さいパンダがいた。俺、パンダは見たことがあるんだ。確か、テレビって名前のやつで。
「おーい、みんな! サツキさんが遊びに来てるよ〜!」
そこに、向こうにいた青いキノコ人のおらふくんが手を振ってこっちに来た。おらふくんの後ろには二人の人間がいて俺はぎょっとした。
「ちょっときおきお! 俺の後ろに隠れるなって!」
「ハハハハハ!」
たいたいとおおはらの後ろに隠れる俺。俺は小さいから真っ先に食べられるじゃん! とか思っていたが、実は人間の中には良い奴もいるということを、あとで知ることになる。