第8章 王子様 國神錬介
『ッ!、、やっ、、、離して、、、』
恐怖のあまり声が出なかった。
私の腕を掴んだのはあの時痴漢してきたおじさんだったのだ。
学校帰りとはいえ、部活後だから夜7時だ。
友達も先に帰ってもらっていた。
この辺りは夜になると人の気配はほとんどなくなる。
抵抗しようにも相手は男、力に敵うはずもなくズルズルと路地奥に連れ込まれた。
「痴漢したことバラしやがって、、おかげで会社では変態呼ばわりだわ、嫁には逃げられたわで人生めちゃくちゃなんだよ!!だから、、、ドサッ)最後くらい楽しんでもいいよな?」
おじさんが見せたのはナイフだった。
怖くて身体が動かない、声も出ない。
涙しかでなかった。
「はは、大人しいじゃねぇか。そうだ、すぐ善くなる、、、今日はあのハンサムくんもいないしな、ゆっくり楽しめる、、、」
シャツを破かれ、首筋に舌が這う。
気持ち悪くて堪らない。
『ッ!、、、(誰か助けて、、、國神くん)』
もうダメって思った。
その時、、、、
ドガッ
「うっ!」
「てめぇ、、、ぶっ殺す」