第8章 王子様 國神錬介
『ッ、、、(どうしよ、、凄いドキドキする、、、)』
校門前でソワソワしながら彼を待っていた。
"帰り一緒に帰らねぇか?"
突然の彼からのお誘いだった。
どうやら私のことを気にかけてくれてのことだったのだ。
流石に迷惑じゃないかと言うと、帰り道は同じだから問題ないとのこと。
"お前が迷惑じゃなかったら送らせてくれ"
そんなかっこいいことを言われてしまえば断る理由もない。
なんなら嬉しかった。
また彼と話せることが出来るのだから。
部活が終わる時間は同じなので、校門前で待ち合わせをすることになり、今に至るというわけだ。
暫くすると、、、
「悪い!遅くなった!」
息を切らしながら謝る彼は本当に慌てて来てくれたのだろう。
自分もさっき着いたところだと伝え、彼と駅へ向かって歩き出した。
他愛のない話をしているだけなのに凄く幸せだった。
駅に着き、電車へ乗り込もうとするも帰宅ラッシュの時間帯で帰りもやはり満員電車。
(やっぱり少し怖い、、、)
國神くんもいるから大丈夫だと分かっているけど、やっぱり少し怖かった。
流石に次の電車に乗る訳にも行かないと思い、意を決して電車に乗り込んだものの不安だった。
そんな時、、、
『ッ!//』
「これなら大丈夫か?」
國神くんが扉と私を挟んで後ろに立ってくれたのだ。
彼が後ろにいるということだけで不安がなくなり、凄く安心した。
背中に感じる彼のぬくもりに心臓がバクバクだった。
そんな時間もあっという間。
だったのだが、、、、